山谷花純インタビュー「女の子の“ちょっとカッコいい熱量”を感じてほしい」『シンデレラゲーム』で映画初主演

特集・インタビュー
2016年09月27日

落ちこぼれアイドルたちがトップアイドルを目指し、無人島で殺人カードバトルに巻き込まれるさまを描く「シンデレラゲーム」(10月1日(土)公開)。本作で主演を務めるのは、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(テレビ朝日系)での百地霞/モモニンジャー役も記憶に新しい山谷花純。映画初主演となる山谷さんが、本作に込めた思いを明かします。

誰かを蹴落として上に上がる――。芸能のお仕事とも重なるのでつらかったです

山谷花純インタビュー

――本作で映画初主演となった山谷さんですが、出演が決まったときの率直な感想を教えてください。

初めての主演作でアイドル役も初めてなので、普段自分が体験できないことができてうれしかったです。主演の実感を一番強く感じたのは、現場に入ってからでした。どのシーンにも自分が出演していて、すべてのキャストの方とお芝居ができる。誰よりも長くカメラの前に立てたこともうれしさの1つで。二十歳目前にこうして主演の機会を頂けたのは、今まで支えてくださったたくさんの人たちのおかげだと思っています。

――山谷さんは今年2月まで1年間『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に出演されていましたが、ニンニンジャーのキャストの皆さんから何か連絡はありましたか?

みんなからもらいました。5人とは今でも普通に会う仲で、舞台も見に来てくれたりするんです。友達とも家族とも違う特別な存在なので、個々の仕事の成功は自分のことのようにうれしいんですよね。今回の初主演でも、みんなからそういう思いを感じ取れてうれしかったですし、「シンデレラゲーム」を見てどんな意見をくれるのか気になります。気を遣わない存在でもあるので、容赦ない言葉が飛んでくるかもしれないですが(笑)。

――今回、山谷さんが演じる灰谷沙奈はどういった人物なのでしょうか?また、役作りはどのようにされましたか?

「自分も死にたくないけど相手も殺したくない」という思いが沙奈の中には常にあるんです。沙奈は私自身と間逆で、内気で気が弱い印象を受けました。人の意見に流されやすく、芯が定まっていなくて。沙奈の性格は私の妹とすごく似ているので、まず一度実家に帰って妹のことをよく観察したんです。そしたら、何気ないしぐさや口の形、どもったときの視線の動かし方などに発見があって、私も実際に声のトーンを高くして演じました。でも、作り込むだけではなく「現場で生まれる感情」も大事にしながらお芝居がしたかったんです。だから、デスゲームを通して沙奈がどう成長するか、見ている方に伝わればいいなという思いで撮影していました。

――カードバトルでの敗者には死が訪れるというルールの下、アイドルたちは極限状態まで追い詰められます。そういった部分で演じるつらさはありましたか?

私は現場が終わったら切り替えるタイプなので、役をひきずることはありませんでした。待ち時間も少なかったので、撮影中は常に集中して役に入っていた感覚はあります。ただ、カードの対戦シーンは結構しんどかったですね。特に、紅林ルイ(春川芽生)から対戦中に「あなたと僕はよく似ている」と真っすぐな目で言われるシーン。だって、自分が出したカード一枚で、目の前の人の人生が変わってしまうんですよ。誰かを蹴落としながら上に行かないといけない点は芸能のお仕事とも重なるので、そこと向き合うのはつらかったです。

広い部屋にみんなで雑魚寝して過ごしました(笑)

山谷花純インタビュー

――撮影はハードスケジュールだとお伺いしました。

館山でオールロケでした。キャスト・スタッフのみんなで虫や太陽と闘いながらの撮影で(笑)。撮影日数を重ねるたび、作品同様みんな追い込まれていった気がしますね。

――女性の多い現場だったと思いますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

ホテルでは、1つの広い部屋にみんなで雑魚寝しながら過ごしたんです(笑)。だから、みんなの会話を聞くのが楽しくて「もしかしたら女子校ってこうなのかな?」と思ったりしました。みんなでYouTubeの動画を見て笑ったり、はやりものの話をしたり…。私は戦隊出演を機に去年上京したので、同年代の女の子たちと長く一緒に過ごすこともなかったんです。実際にアイドルのキャストも多かったので、違うお仕事の話を聞けたことも新しい発見でした。

――どんな発見があったんですか?

役を演じるのではなく、自分のままでパフォーマンスする点が役者とアイドルの違いですよね。ある意味、アイドルというもう1つの自分を持っているのかもしれませんが、もし自分が同じ立場なら多分どうしていいか分からなくなると思うんです(笑)。あと、自分でお化粧をする子が多く、そういった自己プロデュース力の高さも勉強になりました。

――ゲームを仕切る謎の男・タキモトを演じた駿河太郎さんは本作で唯一の男性キャストですが、現場での様子はいかがでしたか?

周りへの気遣いで現場の雰囲気をよくしてくださって、すごく支えていただきました。キャストの中ではわりと年も離れていますし、ある意味現場に緊張感を与えてくれる存在でもあって。撮影が終わった後もお芝居についてご相談させていただきましたし、こうして作品が終わってもつながっていける関係はすてきですよね。

――最後に、これから作品を見る方に向けメッセージをお願いします。

本作は、アイドルとデスゲームという異色な2つが組み合わさってできた作品です。ゲームが進むにつれて、かわいい女の子たちが普段絶対に見せないような顔がスクリーンに映し出されていきます。みんなで切磋琢磨し合いながら体当たりで作り上げた作品なので、女の子が出す“ちょっとカッコいい熱量”をぜひ感じていただければと思います。

 

PROFILE

山谷花純インタビュー

山谷花純
●やまや・かすみ…1996年12月26日生まれ。宮城県出身。
2007年、エイベックス主催「俳優・タレント・モデルオーディション」に合格し、翌年ドラマ『CHANGE』(08年 フジテレビ系)で女優デビューを果たす。その後NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13年 NHK総合)をはじめドラマ『ファーストクラス』(14年 フジテレビ系)、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(15年 テレビ朝日系)、映画「告白」(10年)、「悪の教典」(12年)、「今日、恋をはじめます」(12年)、「舟を編む」(13年)、「寄生獣」(14年)、「人狼ゲーム プリズン・ブレイク」(16年)、舞台「瞑るおおかみ黒き鴨」(16年)など数々の話題作に出演。

公式HP(http://avex-vanguard.co.jp/talents/detail/yamaya-kasumi.html)
公式ブログ(http://ameblo.jp/kasumi-wold-1226/
公式Twitter(https://twitter.com/minmin12344


作品情報

「シンデレラゲーム」

「シンデレラゲーム」
2016年10月1日(土) シネマート新宿ほか 公開。

公式HP(http://cinderella-game.com

<ストーリー>
「低迷アイドルのみなさん、トップアイドル目指して殺し合いをして頂きます!」
所属するアイドルユニットの解散公演を終え、悲しみに暮れる沙奈(山谷)が目覚めるとそこは孤島だった。周りには同様に拉致されたアイドルたちの姿が。そこにタキモト(駿河)と名乗る男が現れる。「アイドル業界から捨てられたクソゴミアイドルのみなさん、おめでとうございます!あなたたちにはこれからシンデレラゲームに参加していただきます!」ルールは簡単。トーナメント制のカードバトルを勝ち抜けば、トップアイドルになれるという。ざわめく少女たち。亡き姉の夢を継ぎ、再びトップアイドルを目指すため、沙奈もゲームへの参加を決意する。しかし、彼女たちはまだ知らない。敗者には「死」が待っていることを…。

出演:山谷花純、吉田明加、春川芽生、佐々木萌詠、清水あいり、阿知波妃皇、其原有沙、水木彩也子、駿河太郎
監督:加納隼
脚本:いながわ亜美
原作:新井淳平「シンデレラゲーム」(AMG出版)
企画・配給:AMGエンタテインメント
制作:メディアンド
2016/日本/77分

【初日舞台あいさつ 概要】
日時:10月1日(土) 前10・00~の回(上映終了後舞台あいさつ)
場所:シネマート新宿 SCREEN1

チケット料金:2,000円均一(全席指定席)
チケット販売方法:「チケットぴあ」にて販売 (http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1645723

一般販売:9月24日(土)前10・00~9月30日(金) 後11・59
Pコード:556-095

(C) 2016「シンデレラゲーム」製作委員会

 

●photo/中村圭吾 text/金沢優里

 

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