入山法子×志尊淳インタビュー「みんなのとんでもない量の愛情が詰まった作品」ドラマ「きみはペット」

特集・インタビュー
2017年02月03日

2000~2005年に「Kiss」(講談社)で連載され、累計発行部数420万部を記録した小川彌生の代表作「きみはペット」。恋に奥手のスミレと子犬系男子・モモとの奇妙な同居生活を描いた癒やし系ラブコメディの傑作が14年ぶりにドラマ化となった。高学歴&容姿端麗のキャリアウーマン・スミレを演じる入山法子さんと、ペットとして同居を始めるイケメン男子・モモを演じる志尊淳さんに本作の魅力や互いの印象などを聞いた。

入山法子×志尊淳インタビュー

◆2003年に日本でドラマ化され、韓国でも2011年に映画化された『きみはペット』が、今回14年ぶりのドラマ化となりました。主人公スミレとモモを演じることになったときの感想と作品の印象を教えてください。

入山:私は連載をリアルタイムで読んでいた世代で、前回ドラマ化されたときも高校生で毎週欠かさず見ていた作品だったので、“きみはペットのスミレ役に決まりました”と聞いたときは本当にびっくりして、うれしかったですね。当時、スミレに共感する部分があったり、あとはモモのかわいらしさとか。ああいう性格のスミレちゃんがどういうふうに自分の道を切り開いていくんだろうっていうところを応援している気持ちもありつつ連載を読んでいたのを思い出しました。

志尊:僕は最初ドラマから見たんですけど、作品の印象は僕の感覚だと…この関係性はどういうことなんだろうっていう(笑)。それにモモを演じると思って見ていたからかもしれませんが、モモはどういう感情でいるんだろうって思っていました。20歳でいろんなところで縛られて自分を押し殺すモモを演じるってどう形にしていけばいいんだろうって。役が決まってうれしい気持ちはありましたが、一瞬のもので “ヒューン、ドン”っていう感じで不安とか葛藤とかそういうことしかなかったです(笑)。それで実際に演じるときは、キャラクターの印象が強いので僕ら世代の男子が見ても2人は納得できるようなこういう経緯でこういう関係になっているんだとか、作品の印象を大事にしつつ、その中にリアリティーを追及する気持ちでした。

◆そんな志尊さんのモモぶりはいかがでしたか?

入山:モモぶりはすごかったですよ。モモをただのペットとして終わらせたくないっていう意識が伝わってきていて、本当に生身の男の子がスミレの家にいるように見えた瞬間もありましたし、でも私としては飼い主の立場なのでただただかわいらしかったです。

志尊:ですって!(笑)本心としてはかわいいから飼ってっていう気持ちの持ち方で演じてはいなかったんです。したたかなイメージが役柄につくのが嫌だったので、すごく自然な普段の入山さんとの会話とか雰囲気を出せたらいいなと思っていたので、結構境界線が分からなくなるぐらいその空気感は作品に出ていると思います。

◆撮影以外でも普段からコミュニケーションを取ったり役柄について話たりしたのですか?

志尊:役については一切していないです。役については1回だけ、監督を交えて飲みにいったときに。

入山:そう!

◆それは最初にお話されただけで?

志尊:いや、後半です。

入山:後半(笑)。

志尊:次、もう14話なんですけどっていうときでした。もう終わりじゃん。

入山:どういう感じですかね?みたいな(笑)。

志尊:今さら~みたいな(笑)。そこで初めて共有しました。

入山:そうだったよね(笑)。

◆逆に入山さんのスミレぶりはいかがでしたか?

志尊:放っておけなかったです。モモとしているときに一番感じたのは、放っておけないこの人って。あとすごく愛にあふれている。顔の表情を見ていても不器用で伝えられないっていうのが多いんだけど、それが見えているからスミレちゃんのすべてが愛らしい感じがして。

入山:ですって!(照)。

入山法子×志尊淳インタビュー

◆今回のドラマはコミカルな要素も多いと思うのですが、特に互いにコミカルな部分はこうしようとかはあったのですか?

志尊:特に意識はしてないですね。

入山:『きみはペット』という作品が持っている空気だったり、私と志尊君が持っているものだったりと監督が引き出したいものがうまく重なって、ちょうどいいところでくすって笑えたり、キュンとできたり、うまくはまった気がします。

◆逆に苦労したところは?

入山:後半、話が進むにつれて、スミレとモモとの関係性も、スミレと恋人との関係性も、そこに現れるライバルの関係もみんなの感情がどんどん動いていったときに、やっぱりモモとの関係がただ楽しいだけじゃない、恋人ともラブラブだけではないってなったときに、気持ち的に演じるのもしんどい日はありました。台本読むと、あーみたいな…。

志尊:役の関係性に、普段入山さんとの関係も影響を受けちゃうんですよ。楽しいときはもう…。

入山:うえーいって(笑)。

志尊:ふざけているんですけど、シリアスなときは“あ、おはようございます”って遠巻きにあいさつするぐらいになっていたり。無視しているわけではないんですけど、なんとなく距離を置いていたり。

入山:あったね、あった。

志尊:僕が変わってしまったので、本当にご迷惑ばかりかけてしまったなと…。

入山:いやいや迷惑だなんてことは。本当にみんなが作ってきた、用意してきた空気がうまく現場に流れるんですよね。楽しいシーンはわいわいにぎやかですし、ちょっと大事なシーンは緊張感を持って臨んでくれていたので、そのままがカメラの前に持っていけたからこそ、2人が落ち込んでいるシーンは本当に2人とも落ち込んでいるようななんかそんな現象がありました。

志尊:空気を作っていかないと絶対にダメだなと思って。撮影の状況とか環境もあるじゃないですか、シリアスなシーンに入っていくときは形からでも入っていかないと本当にその気持ちになっていかないと思っていたんです。

入山:そんな現場でしたね。

◆これまで実写化されてきていますが、今回の『きみはペット』でのお2人が考える特徴はどこだと思いますか?

入山:くすっと笑えるというところは原作に近いテンションなのかなと思っています。『きみはペット』という作品が大きいから印象が強いと思うんですけど、そういう先入観がなくても楽しめる、2017年度版みたいになっているじゃないかなと思います。わりとスミレという役も台本からくだけた部分を表現してくださったので、そういうところはこれまでとは違うところだなと思いますね。

志尊:原作が持っている世界観以外はすべてオリジナルの作品になっています。まず台本として挙がってくる分量が違うので、先が見えている中から逆算してキャラクターを作っていく過程にしても、全然プロセスが違うし、漫画の連載も終わっている状況と続いている状況って全然違うと思うんですね。これまでの実写化作品が『きみはペット』だと思っている方もすごく多いと思うんですけど、僕はそこにひっぱられることもなく、環境もキャストも全く違うので、今回の『きみはペット』は今回の色が出ているなと思っています。特徴としては、撮影現場での空気感がそのまま画に映っている部分だと思います。日常的じゃないかもしれないけど、こういうのもあるよねって思える方向に持っていけたのでペットとご主人様っていう関係性だけじゃなく、今回はいろんな関係性があるので視点もまた変わってくると思います。

入山法子×志尊淳インタビュー

◆お二人のお薦めする胸キュンシーンを教えてください。志尊さんには男子目線からお願いします。

志尊:男子目線から言わせてもらいますと、スミレちゃんのシーンで一番胸キュンを感じたのは、母性を感じる瞬間!その母性を感じる瞬間っていうのは、子供と関わっているときとか、子供のモモと芝居をしているときに顕著に出ていて、普段のスミレちゃんの持つ空気感じゃなくて、そのギャップに出来上がった本編を見ながらうわって思っていました(笑)。すごくすてきでいいんですよ。モモは家の中でのスミレちゃんしか知らないから、そこにも魅力がたくさんあるんだけど、家の外で見せる違うスミレちゃんを見ると一層魅力を感じます。

入山:ありがとうございます。子供のモモってずいぶん後半だよね?。

志尊:あれすごく好きなんだ。ぜひ皆さん癒やされてください。

◆入山さんから見た女性にお薦め胸キュンシーンは?

入山:女性スタッフの夢を織り交ぜた台本になっていて、本当にいっぱいあるんですよね。選べない…。そうだな、今回DVDにはドラマとしてOAされるもの以外に特典映像が入っていて、その特典映像でやっている、何てことはないやりとりとかがお気に入りで、台本があってないような収録でアドリブ満載のやりたい放題だったんですよね(笑)。その中でのやりとりが周りのスタッフからもキュンキュンしたとか、あれはやばいですねとか好評でした。そこを見ていただけたらなと思いつつ、私はスミレが疲れて家に帰ってきたときに、モモにお帰りって言ってもらえたのが一番キュンとしましたね。

志尊:へー。

入山:笑顔でお帰りって言ってもらえたのがよかったな。

志尊:笑顔でお帰りが大事なんですね。

◆それでは最後にあらためて見どころをお願いします。

入山:いろんな登場人物が増えていくごとにドラマチックになっていきますが、やっぱりスミレとモモの不思議な関係性が見どころだと思うので、スミレの気持ちに寄り添ったり、モモの気持ちに寄り添ったりしながら楽しく見ていただけたらうれしいですね。

志尊:スタッフさんを含めみんなの愛が詰まった作品なので、そのとんでもない量の愛情を注いで短期間に集中して撮影したものが伝わっていると思います。ポイントを挙げたらきりがないぐらい魅力満載です。何気ないシーン、日常の会話でも魅力だし、感情をさらけ出すところも。でもやっぱりストーリーに注目してほしいです。スミレちゃんに対してのモモの感情が垣間見られる瞬間というのを見ていただけたらと思います。

 

■PROFILE

入山法子
●いりやま・のりこ…1985年8月1日生まれ。埼玉県出身。A型。主な出演作にドラマ『霧に棲む悪魔』(2011)、『レンタル救世主』(2016)、映画「アニバーサリー」(2016)、「幸福のアリバイ~picture~」(2016)、舞台「カサネ」(2016)、「歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋」(2016)、CM「ちふれ化粧品」「JINS」イメージキャラクター。
オフィシャルブログ http://lineblog.me/iriyamanoriko

志尊淳
●しそん・じゅん…1995年3月5日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作にドラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014)、『そして、誰もいなくなった』(2016)『プリンセスメゾン』(2016)、映画「先輩と彼女」(2015)、「疾風ロンド」(2016)など。2017年は映画「サバイバルファミリー」(2/11公開)、「帝一の國」(4/29公開、「覆面系ノイズ」(11/25公開)、主演舞台「春のめざめ」(5月上演)と出演作が続く。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/jun-shison-we/

 

■ドラマ情報

「きみはペット」「きみはペット」

原作:小川彌生 監督:熊坂出 脚本:古賀文恵
出演:入山法子、志尊淳、竹財輝之助、柳ゆり菜、野呂佳代、志田友美(夢みるアドレセンス)

2月6日(月)
フジテレビ(関東ローカル) 毎週(月) 初回深2・35~放送スタート
2月5日(日)より
FOD(フジテレビオンデマンド)にて毎週(日)後8・00より毎週2話ずつ先行配信スタート
2月17日(金)きみはペット<完全版>
ブルーレイ&DVD―BOX1発売(3/2(木)よりレンタル開始

©小川彌生/講談社©2016「きみはペット」製作委員会

 
●photo/干川 修 hair&make/MAKI、今関梨華(P-cott)(入山)、仲田須加(志尊) styling/阿井真里(入山)、手塚陽介(志尊)

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