『友近・礼二の妄想トレイン』プロデューサーが語る“旅をしない旅番組”の魅力とは

バラエティ
2020年08月31日

『友近・礼二の妄想トレイン』

時刻表を片手に妄想を膨らませ、机上旅行するという、新たな旅の楽しみ方を提案する『友近・礼二の妄想トレイン』(BS日テレ)。くしくも“withコロナ”時代にマッチした「旅をしない旅番組」となったこの番組の制作意図や収録エピソードを菊地武プロデューサーが語った。

◆「旅をしない旅番組」というコンセプトは、スタッフがつかんだ、友近に関する小さな小さな情報から始まった。旅と妄想をつなぐのが「時刻表」。そのキーパーソンが友近だったという。

菊地P:制作スタッフから募集した企画の中に「友近さんは時刻表が好き」という情報があって、 ご本人にお話を聞いたら、「忙しくて頻繁に旅行に行けないから、電車で行った場所を想像するんです」とおっしゃっていたんです。これを膨らませられないかと思ったんです。今はネットの社会ですけど、「昔、こういうのを調べて旅するのって、楽しかったよね」というのをやってみたいと思いました。

◆友近の妄想旅を実現させるにふさわしい“相方”は誰か?電車、トーク、友近とのバランスを考えた時、浮かんだ最高のパートナーが、中川家・礼二。友近と礼二が、レギュラー番組で共演するのは、実は初めてで、意外なフレッシュさも加わった。

菊地P:交通手段が鉄道ということと、友近さんとトークの相性も良さそうだったことから、 礼二さんにお願いをしました。ご本人たちにあちこち行っていただくのは難しいなとは思っていましたが、元々しゃべりが突出しているお二人なので、組むパートナーに実力があれば、しゃべりだけでも成立すると思いました。

◆電車の時刻表を軸に、机の上で組み立てる妄想トラベル。鉄道ファン向けに偏るわけではなく、電車に興味がなくても、旅好きな視聴者も楽しめるような番組を目指したという。

菊地P:鉄道ファンと旅好きと両にらみですね。例を出すと「るるぶ」とか「じゃらん」のような旅行雑誌に、さらに映像付きで番組を作れたらと思っていました。

◆かつて『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ)などを担当した菊地Pをはじめ、旅番組を経験したスタッフはいたものの、電車の知識はその道のプロ直伝。礼二をはじめ、ゲスト陣は知識の宝庫で、番組での熱いプレゼンはもちろんのこと、ロケに当たってもレクチャーを受け、番組が完成した。

菊地P:実は礼二さんや、徳永ゆうきさん(7月6日放送でゲスト出演)には事前にストレートに聞いて、監修のようなこともしていただいたりしているんです。お二人ならどういう列車でもほとんどご存じですので、どういったことが面白いかというのを聞いたりしています。

◆収録は3月にスタート。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で、予定は大きな変更を余儀なくされた。当初は4月にスタート予定だった放送そのものも、コロナの影響で思うようなロケができず、6月までスタートを延期することに。

菊地P:実は3月の頭に4回分のスタジオ収録が済んでいたんですが、ロケ先の地域の方々も警戒するでしょうし、鉄道会社の方々も対応がなかなか難しい時期でもありました。なので、完成させられるロケ先の映像が撮れず、ならば…とスタートの時期を遅らせる判断をしました。

◆ロケが命の旅番組で、ロケができないという、前代未聞の事態。しかし、そこが発想の転換点に。幸いにも、MCは友近と礼二ということで、二人のトーク巧者ぶりを思い切って全面に押し出すことに。「ああだ、こうだ」が楽しい、唯一無二の旅番組が完成した。

菊地P:全くロケに出られなくなることは想定していなかったので、裏の発想に転換しました。「こういうトークって、お酒の席とか飲み屋で話が出ないかな?」ということで、トークを楽しむ番組にしようと。友近さん、礼二さんもいるしということで、切り替えは早かったですね。

◆番組が目指すのは、マニュアルのような押しつけプランではなく、あくまで一つの提案。誰もがスマホを持つ時代だからこそ、時刻表が検索でポンと出てくるお手軽な旅ではなく、アナログ感、手作り感を楽しんでもらえれば…という思いがあった。

菊地P:こだわっているのは、ツアーのようなものにポンと乗っかるのではなく、「今のスマホ時代にこういう旅を作りませんか?」という、どちらかというと疑似体験できる旅を提案しているつもりで作っています。

◆そんな中、この番組ならではの見事なコラボが生まれたのが、6月22日の放送回。時刻表世代の六角精児と、スマホ世代の宇賀なつみという世代の離れた二人が、その違いを生かして連携を披露した。

菊地P:山形の回で、電車に詳しい六角精児さんが、時刻表を使っていろいろ調べる中、宇賀なつみさんがスマホを駆使して「こういうラーメン屋さんがある」とリサーチしてくれたり…世代の違いがうまく出た回でした。

◆コロナが収束し、より自由なロケができるようになれば、友近、礼二がスタジオを飛び出して、リアルなロケを堪能できる日が来るかも?

菊地P:序盤の回は、電車の映像は鉄道会社さんなどからお持ちの物を提供していただいています。今後はドローンを使った映像で、電車と景色を映したりしていきたいです。お店や料理の映像も、お店の方に映像を撮ってもらって送ってもらうこともあったんです。可能な状況になった時には、実際にスタッフが行って撮ったりして、食事も“シズル感”とかを出せればなと思います。いずれは、友近さん、礼二さんお二人にも実際の旅を…。

番組情報

『友近・礼二の妄想トレイン』
『友近・礼二の妄想トレイン』

『友近・礼二の妄想トレイン』
BS日テレ
毎週月曜 後9・00~9・54

出演:友近、礼二(中川家)、各回ゲスト2名
アシスタント:久野知美(女子鉄アナウンサー)

■2020年8月31日(月)放送
「富士急行乗り比べで行く富士山の旅」
ゲスト:原田龍二、水野裕子

番組HP:https://www.bs4.jp/mousou-train/

©BS日テレ

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