『いたジャン!』演出・竹内誠インタビュー “前提”も企画のきっかけに Hey! Sɑy! JUMP×ダウ90000・蓮見翔と共に挑戦する総合バラエティ「自信を持って面白いものを届けたい」

バラエティ
2024年12月03日
『いたジャン!』©フジテレビ

Hey! Sɑy! JUMPがメインを務めるバラエティ番組『いたジャン!』(フジテレビほか 毎週火曜 深夜0時55分〜1時25分)で演出を担当する竹内誠さんにインタビュー。

今年6月にスタートした『いたジャン!』は、一つのことを追いかけ続ける記者が人生最高のスクープを発表する「全日本スクープ会議」や、Hey! Sɑy! JUMPの周囲にアンケートを実施し、その結果をランキング形式で発表する「周辺調査でランキング」などを中心に、さまざまな企画を展開している総合バラエティ番組。

MCはメンバーの有岡大貴、アシスタントはダウ90000の蓮見翔が担当しており、11月26日放送回では蓮見が脚本を手掛け、Hey! Sɑy! JUMPが演技をするノーカット芝居企画「劇団いたジャン!」も初オンエア。FODプレミアムでは放送の1週間前から先行配信を実施しており、配信限定企画「2人の5分」も公開している。

竹内誠 インタビュー

◆放送スタートから半年がたとうとしていますが、あらためて番組誕生の経緯を教えてください。

『いただきハイジャンプ』が終了し、今年に入って「新生のHey! Sɑy! JUMPの番組を」というお話を頂きました。そこで、まずは“これだったら彼らに向いてるかな”と思う企画を考えたんです。それが実際に放送している「全日本スクープ会議」と「周辺調査でランキング」の2つでした。僕自身、メンバーのことを存じ上げてはいたのですが、それぞれがどういう人なのかまだ分かっていなかったので、全てのCDを聞いて、ライブDVDを見て“こんな感じでMCをやるんだ”と特徴を確認しました。その上で挑んだ4月ごろのメンバーとの顔合わせの機会では「何がお好きなんですか?」と聞いて…まるでお見合いのようですよね(笑)。そうして8人のことを知りつつ、確実に面白くなる要素の詰まった自信のある2つの企画で番組をスタートさせました。

「全日本スクープ会議」では、いろんな記者の方とコンタクト取って“このジャンルをぶつけたら面白いんじゃないか”と計算しています。例えば、中島(裕翔)くんは武術がすごいので、黒帯を持っているウェブ記者を、とか。一方で、昔から知っているロケットニュース24のGO羽鳥記者に出演してもらったら、まさかの知念(侑李)くんとの相性が抜群によかったんです。8人の個性を引っ張り出すための釣り糸を仕掛けているような感じですが、そういう意味ではものすごくいい結果が出始めていると思います。

◆実際にHey! Sɑy! JUMPと半年間番組を作られてみていかがですか?

山田(涼介)くんのバラエティ能力は本当にすごいです。なんでもできちゃうんだなと思ってしまいます。芸人さんだったら相方がボケてそれにツッコんで…という展開が考えられますが、彼はボケもツッコミもどちらもできる。時には強めのツッコミの仕方もできるんだけど、その奥にはちゃんと相手へのリスペクトがあることを感じられるので、誰もが気持ちよくなる。トーク術を持っている人だなと思います。

知念くんは家で過ごす時間が長い人なんだろうなって(笑)。でも、だからこそまだ見えていない個性が引き出せると思ったんです。そこで、GO羽鳥記者と旅行に行ってもらったり、マネージャーへのアンケートで“ケチ”と書かれるも「じゃんけんが好きなだけだ!」というところから「ケチ念ジャンケン」というコーナーができたり(笑)。番組を通して、まだ知られていない彼の魅力の弁を開く作業をしている最中です。

中島くんは「5万円旅行」のVTRにすごくいいコメントをしてくれたんです。愛もあり、しっかりコメントを残してくれる仕事ぶりに感激しました。「劇団いたジャン!」では、本当に生き生きとしていて。(11月26日放送回では)中島くんが重要な役を務めているのですが、約10ページの台本を見事にこなしていました。一方で、野食に興味があるという話も聞いたのでそんな切り口からも何かぶつけられないかと考えています。

有岡くんには初めてお会いしたとき、まず最初に「司会に専念してもらいたい」というお話をさせてもらいました。ちなみに、この番組に関して最初に決めたことが、“有岡くんにMCを務めてもらう”ということだったんです。僕の中で“いいMCは声が高い”という理論があるのですが、彼に関しては声の高さもいいなと思った理由の一つです。実際に収録してみると、ちゃんと展開も考えながら頑張ってくれていますね。

Hey! Sɑy! JUMPのメンバーたちはクイズに答えていくことがすごく苦手で、蓮見くんからもツッコまれているのですが(笑)、そんな中で負けじとボケてくるのが伊野尾(慧)くんです。伊野尾くんは食レポも上手だなと思います。言葉が多いんですよね。ずっと『めざましテレビ』に出演されていたからというのもあると思うんですけど、彼のボキャブラリーの多さが生かせるような企画を考えていきたいなと思っています。

髙木(雄也)くんは一番この番組の影響を受ける人。冨水明記者による爬虫類の話を聞いてトカゲを飼い始めたり、広田ハカセ記者がお薦めしたダイソーの500円の時計を、車でたまたま店舗を通りすぎたときにわざわざ戻って2色買いしたと言いますから…両腕につけているのでしょうか(笑)。放送で紹介された、押す可能性がある仕事の日に終わり時間の15分後に友達を呼んでいたというエピソードも面白かったです(笑)。

八乙女(光)くんに関しては、まさに今模索している最中です。企画段階ではありますが、彼は「みやぎ絆大使」ということでそこを生かせたらなと。全国の小さな新聞社が面白スクープをたくさん残しているのですが、宮城や東北でそういった新聞社が見つかったら八乙女くんが力を発揮してくれるんじゃないかなと想像しています。彼は興味を持っているものがはっきりしているタイプなので、そこを伸ばしてあげたいなと思います。

薮(宏太)くんは歌がうまい。Hey! Sɑy! JUMPの新曲「UMP」の歌収録をしたときに、僕が映像のカット割りをしていたら薮くんの顔を抜く回数がすごく多くなってしまって。それで、振り付けの方に「宏太のことが好きなんだね」と言われたことも(笑)。あとは、サッカーがお好きだと聞いていて、僕自身も好きなジャンルではあるんですけど、女性の視聴者を引っ張るフックがなかなか思いつかず…こちらもまだまだ模索中です。

◆そんなHey! Sɑy! JUMPの皆さんのアシスタントとしてキャスティングされたのが蓮見翔さんです。

“Hey! Sɑy! JUMPの成長につながるかどうか”ということを基準にして、今回は勇気を持ってMC(アシスタント)のキャスティングでも勝負したいなと思っていたんです。番組に責任感を持つことが成長につながると思うので、あえて年下のタレントをぶつけてみようかなと。そこで、気づいたらドラマどころか映画の脚本も書いていて、『キングオブコント』では準決勝に行った上『M-1グランプリ』でも勝ち進んでいる…そんな久しぶりの才能・ダウ90000の蓮見さんにお願いしました。まさに「劇団いたジャン!」は、有岡くんがHey! Sɑy! JUMPを客観視して見つけた“こういうことがよくあるんです”というエピソードの共有をきっかけに蓮見くんが脚本を書いてくれた作品になるので、キャスティングが功を奏してよかったなと思います。そして、メンバーたちはこれからも映画やドラマにどんどん出演することになると思いますし、蓮見くんが脚本を書くこともあるのかなと思うので、将来を見越したマッチングにもなっています。

◆FODプレミアムで先行配信するという点も挑戦であるように感じました。

先行配信の1週間後に放送があるという編成なので、まず「配信できる内容にする」という前提があります。実はそれが結構挑戦であり、難しい部分でもあるのですが、“だったらこういうことができるな”と逆張りをするきっかけにもなっています。そうして「作り物をやろう」「お芝居をやってみようよ」と生まれたのが「劇団いたジャン!」でした。できないことがあるからこそ、新たなジャンルに広がっていくという良さを配信プラットフォームに感じています。そして、ファンの皆さんが本当に温かくて…配信をチェックして、さらに1週間後にテレビでの放送も見てくださるのでありがたいです。公式SNSにも温かいコメントをいっぱい頂いています。

◆配信限定でメンバーの2ショットトークを送る企画「2人の5分」も展開されています。

スタッフの中に男性にはなかなか思いつかないような要素を分かっている子がいて、その子たちとの対話を通して生まれたコーナーです。僕からすると「昨日何食べた?」のテーマだけで5分間ってなかなかOK出さないんですけど「どうでもいいぐらいのテーマでも見ちゃいます」と言うんですよ。そういった声があり、配信ならではのオフっぽさが出せる企画になりました。5分たつと後ろから壁が迫ってきてメンバーが押しつぶされるんですけど、まだまだしゃべれそうなときと“もういいでしょ”という空気のときがあるのも面白いなと(笑)。8人が本当に2人の空間を楽しんでくれていますし、思ってもいなかった情報がポンと転がり落ちてくることがあるので、本編の企画のヒントにもなっています。

◆『いたジャン!』の制作で大切にしていることを教えてください。

“テレビ離れ”がよくトピックとして上がっていますが、テレビも配信も映像コンテンツという意味では同じなので、自信を持って面白いものを届けたいなと思います。『いたジャン!』は総合バラエティなので、歌もノーカット芝居もトークもやる。そうして僕らが育ってきたテレビの面白い作り方を、若いクリエイターに伝えたいなと思っています。昨今、お金がないもんだと思い込んでクロマキーを背に収録している番組も多くありますが、そうすると美術も照明もカメラも魅せどころがなくなってしまうんですよね。例えば、歌収録を実現するために収録の工夫をして貯金したり。「選択と集中」をしつつ、ちゃんと豪華な、僕の世代が憧れたような番組と企画ができるような撮り方をしていこうと思っています。失われた数年間によって人材は流れていってしまうので、それを食い止めたい。テレビ局でやることがこんなに面白くなるんだっていうことを伝えたいです。

◆ちなみに、竹内さんが印象に残っている収録は?

バーベキューがテーマの回で、達人の下城民夫記者がお肉を用意してくださったのですが、気づいたらメンバーが給食の時間の小学生のように並んでいて。しかも、MCの有岡くんと蓮見くんも一緒に並んでいたんです(笑)。あれはかわいくて面白い瞬間でした。

◆最後に今後の展望を教えてください。

「劇団いたジャン!」を6個ぐらいためて、日本武道館でライブをしたいですね。まだ誰にもOKをもらっていませんが「思うは招く」ということで現実になるかもしれませんので。僕ら(フジテレビ)には事業部もあって、イベントをする力がありますし、そういったことがHey! Sɑy! JUMPの未来につながると思っています。ぜひ期待していてください!

番組情報

『いたジャン!』
フジテレビほか
毎週火曜 深夜0時55分~1時25分
※12月3日(火)は深夜1時15分~1時45分

FODプレミアムでは毎週火曜 午後10時より先行配信中

<出演者>
Hey! Say! JUMP
蓮見翔(ダウ90000)

©フジテレビ

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